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ヱキセントリック少年少女

はにかみ屋のシティガール

世の中は食うてハコして寝て起きて、さてその先は死ぬるばかりぞ

宮武外骨、是本名也。


「私は天下に有名なる宮武外骨という拗者で在ります」

面白半分 (河出文庫)

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明治奇聞 (河出文庫)

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滑稽漫画館 (河出文庫)

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宮武外骨」はどこかで発見した名前。多分、はじめて目にした名前だった。おそらく今まで大学の授業でも出てきていない。(私が不勉強なだけでしたら教授の名誉にかけて謝罪いたします、面目無いです)「ガイコツ」て、へんな名前。しかも「是本名也」って本名なんかい。写真はいかにも偏屈そうな爺さん。そもそもいったい何屋さんなのか。
等等思いながら解説を読んでいくと、どうやらジャーナリストらしい。慶應3年生れという、さあ明治にならんとするぎりぎり江戸時代に誕生した人。「ガイコツ」というのは自分で正式に改名した名で、幼名は「亀四郎」といい、亀が「外骨内肉」のいきものだから、というわけらしい。いや、でも「ガイコツ」って本名にしちゃうのは凄いなあ。権力をめちゃめちゃ揶揄しまくったためにどんどこ筆禍事件を起こして投獄されたりもしたらしい。アナーキーですな。じゃんじゃん雑誌を作ってすぐに廃刊にしたりしたけども、物凄い大ヒットも起こしている。なんだか文章がどうとかいうより、本人自体が面白い人ですね。


読み物としては、河出文庫から何冊か雑誌の内容ををまとめた本が出ていて、すこし読んだらなんだかトリビアみたいな雑学的な知識がいっぱい書いてある。でもなんか、文章が読みやすくて、面白い。昔の人が書いたとは思えないような文章。なんかね、たとえば「盗賊が物を盗んだ所に糞を残していくのは何故か」について考察していたりする。いやそもそも盗賊って糞をしていくものなのか?とか、私はもうそこからしてすでに知らないから面白い。あと私は江戸吉原の遊女の文化に興味があるから、そのへんの記述も面白く読んだ。
「面白半分の記者は面白半分に筆を執り、面白半分の読者は面白半分に知識を得ねばならぬ」
まったくこの言のとおり。
奇想天外の発想を撒き散らす稀代の編集王の文章を、そのリズムに合わせてさばさばと読み散らかすとよろしいでしょう。